鹿児島市のラーメン屋[サカノウエユニーク]は、既成概念を覆すような独創的なラーメンと、ストリートカルチャーやモダンアートに明るい店主の嗜好が詰まった内装を通して人気を博しています。“なんかかっこいい”だけでなく、そこには人の五感に巧みにうったえかける技術も。唯一無二の店作りに迫るべく、店主の吉井浩祐(こうすけ)さんに話を伺いました。
ショップガイド
SHOP GUIDE
2F | フードホール D
ラーメン
サカノウエユニーク
営業時間 11:00 - 21:00
2015年に鹿児島・坂之上でオープンし、豚骨ラーメンが主流の鹿児島で塩ラーメン推しを掲げ、またそのスタイリッシュなスタイルで瞬く間にその人気を不動のものにしたラーメン店、サカノウエユニークの静岡展開。ラーメンに留まらず、アートやカルチャーシーンへの深い造詣による店舗空間の作り込みが唯一無二な存在として人々を魅了します。
STORY
2024.11.26
INTERVIEW
Until the Senses Heighten
鹿児島から全国に羽ばたく、唯一無二のラーメン店[サカノウエユニーク]
鹿児島市のラーメン屋[サカノウエユニーク]は、既成概念を覆すような独創的なラーメンと、ストリートカルチャーやモダンアートに明るい店主の嗜好が詰まった内装を通して人気を博しています。“なんかかっこいい”だけでなく、そこには人の五感に巧みにうったえかける技術も。唯一無二の店作りに迫るべく、店主の吉井浩祐(こうすけ)さんに話を伺いました。
味覚に至るまでの他の4つの感覚を作る。無二のラーメン店のこだわり。
◇お店を立ち上げるまでの経緯を教えていただけますか?
地元鹿児島の高校の調理科を卒業後、大阪の飲食店に就職したんですが、若かったこともあって長く続かず、わりとすぐに鹿児島に帰ってきて、しばらくは父親が営む弁当屋でバイトしていました。でもその店をたたむことになって「また就職しないと」ってなった時に初めてラーメン屋で働き出しました。そこで4年くらい勤めてから、28くらいの時に別のラーメン屋に入って、そこから34くらいまで働きます。そこで転機があったんですが、調理学校で一緒だった友達からの「自分で店やってみたら?」という助言を受けて自分のラーメン屋をオープンさせることになります。
◇なんといっても「ユニーク」がキーですが、ご自身のお店を作るにあたって考えたこだわりを教えていただけますか?
やっぱり「ザ・ラーメン屋」ではなく、攻めたラーメン屋を作りたいと思いました。名前もありきたりなものは嫌で、それで「サカノウエユニーク」って名前を付けたんです。それとメニューに関しては、鹿児島では「ラーメンといえば豚骨」なんですけど、当時塩ラーメンを推してるお店はなかったので「塩をメインにもってくる」ということに挑戦しました。当時、鹿児島にはそういうラーメンがなかったんですよ。それからお客さんに「五感」を使ってもらう流れも意識しています。だから、店内に入る、注文する、ラーメンが出てきて食べる、という流れの中に視覚や聴覚、嗅覚で楽しんでいただける要素を入れたんです。まずお店に入った時の雰囲気や内装で「かっこいい! ここラーメン屋なんだ」という印象を持ってもらう。席につくと、メニューに写真が載ってないから料理が出てくるまで実物が分からない(あえて視覚情報を遮断する)。そこからスタッフ間の会話や厨房で調理してる音で聴覚を使って、作ってるときの香りで嗅覚を使ってもらう。で、ラーメンが出てきたときに、ビジュアルの新鮮さでもう一度視覚にうったえかける。味覚を使うのはほんとに最後ですね。
◇[cosa]の話を。静岡の方で「坂之上」という知名を知っている人は少ないと思うので、固有名詞として「サカノウエユニーク」ってあるのがすごくすてきだと思います。
そうですね。移住して静岡にいる鹿児島出身の人もいるはずなんで「[サカノウエユニーク]できた」ってなったらちょっとうれしいんじゃないかなと思います。
◇お店において求める人材像について教えてください。
このお店の雰囲気をある程度汲んでくれるしっかりした人ですかね。東京とかだと、わりとどんな接客スタイルでも通用すると思うんです。だけど鹿児島では、―静岡もそうだと思うんですが―スタッフの人となりが大事なんで。あとやっぱり他のスタッフと上手くやれることも重要ですね。一人でやる仕事ではないので。やっぱりどれだけ信頼得られるかってところかなあと。店舗の上に立つ人は、しっかり指示を出してほしいですね。誰が上に立つかによって、店の雰囲気も変わってくると思います。
インタビュー全文は22 MAGAZINEでご覧いただけます。
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