2024.11.13
INTERVIEW
A New Dawn for Flavor
正解がないからこそ面白い。独自のメキシカンを表現する[¡夜明け前!]。
静岡市、筆頭のメキシコ料理屋[¡夜明け前!]は、住宅地に佇みながらも日常を忘れさせる料理と空気感で不動の人気を誇る名店。特にアルミホイルで巻かれたブリトーは本場の味とサイズを継承しており、日々店を訪れる人を満たしています。店主の望月達馬さんは、東京での修行やアメリカへの視察を経て独自のスタイルを確立し、同時に地域の人々に愛される店作りを行ってきました。2025年には、丸12年にわたる鷹匠での営業に区切りをつけ、[cosa]に移転。人生の節目を迎えた心境に迫るべく、ランチ終わりの望月さんのもとを訪れ、話をお聞きしました。
テクス・メクス × おばあちゃんっ子。12年で表現してきた世界観。
◇まずはメキシコ料理に興味を持ったきっかけから教えていただけますか?
17~8歳くらいの頃に、ある先輩が作ってくれたブリトーを食べたのが出会いです。その衝撃がその後も頭の片隅にあって。26歳くらいの頃に、また別の先輩が「都内でメキシコ料理屋を始めた連れがいるよ」って紹介してくれたのを機に上京して、7年くらい修行して静岡に帰ってきて店を始めました。それが34の時です。
◇[¡夜明け前!]の特徴を挙げるとするなら?
ベースとなっているのはテキサス州で生まれたメキシコ料理のスタイル、「テクス・メクス」です。それからサンフランシスコ・ミッション地区のブリトーショップの雰囲気だったり、あと自分おばあちゃんっ子だったので、家庭的な要素も含んだりしています。「メキシカン」といってもいろんなスタイルがあるんですが、とにかく僕なりの世界観を表現しています。
◇鷹匠にお店をオープンした時、地域からの反応はいかがでしたか?
めっちゃ薄かったですよ!近所の方たちからしたら「何者なんだろう?」って感じじゃないですか。なので地域に根付くために、静岡の老舗を回って何が置いてあるかとか見て参考にしたりしました。長く続くには何か理由があるはずですからね。例えば観葉植物だとポトスとかが多かったので、うちでも反映してます(笑)。
◇12年続いた鷹匠の店舗から、[cosa]への“移転”ですが、心境はいかがですか?またお店作りのイメージなどについても教えてください。
自分が表現したいことはこの12年間でできたので、場所を移しても良いなと。鷹匠でやってる間は、ピンポイントでうちを訪れるお客さんだけだったけど、[cosa]はいろんな人が偶発的に店を訪れる。そういった層にアプローチしていくのも面白そうですよね。移転後はフードホールなので、内装は今までと比べてガラッと変わると思います。前の店に置いていた絵も飾りたいけど、フードホール側から提示されたなかでやるのも面白いんじゃないかと思ってます。メニューに関しては、ブリトー含めた何種類かの料理をグランドメニューにする予定です。本場のブリトー屋さんは肉の種類も選べたりするんで、最終的にはそういうのもやりたいですね。
◇「こんな方に働いてほしい」というイメージがあれば教えてください。
それこそおばあちゃんっ子だったらいいな(笑)。なんかパンジーとかチューリップが好きだったり、極端にいうと古典芸能とか、そっちの良さも知っているような、いろんな視点を持った人だったら、お店の振り幅も広がるし、僕らが先輩から教わったことを伝えていけたりもする。そして逆に、若い子たちのセンスだったり今風の見せ方も教えてもらえると思うんです。上の人からは常に「下の世代を作れ」と言われてきたので、それを実践したいですね。
インタビュー全文は22 MAGAZINEでご覧いただけます。