2024.11.07
INTERVIEW
Serene Gleam
レバノン料理店[汽[ki:]]の在り方から見えてくる、持続可能型レストランのかたち
京都は清水五条のレバノン料理店[汽[ki:]](以下、[汽])。その洗練されたビジュアルとおいしさから、「レバノン料理」をたちまち有名にした立役者。ヴィーガンフレンドリーなメニューやフードロスへの配慮など、サステナブルな飲食店としても注目されています。オーナーの長野浩丈さんと西川勇作さんに、「健康的な」店を作るためのこだわりや、[cosa]への展望をお聞きしました。京都は清水五条のレバノン料理店[汽[ki:]](以下、[汽])。その洗練されたビジュアルとおいしさから、「レバノン料理」をたちまち有名にした立役者。ヴィーガンフレンドリーなメニューやフードロスへの配慮など、サステナブルな飲食店としても注目されています。オーナーの長野浩丈さんと西川勇作さんに、「健康的な」店を作るためのこだわりや、[cosa]への展望をお聞きしました。
無理や無駄のない持続可能な店作り。レバノン料理×独自のアイデア。
シェフの西川さん(左)とオーナーシェフの長野浩丈さん(右)
◇お二人が飲食の世界に入られたのはいつ頃ですか?
長野:僕は両親が共働きだったので、子どもの頃から自分でご飯作ったりと料理が身近なものでした。中3の終わりくらいから知り合いのレストランで洗い物をさせてもらったりするんですが、そこからずっとフレンチの世界にいて、今に至ります。
西川:僕は父親がホテルの料理長で、餃子の焼き方から教えてもらったりしました。高校卒業後、ホテルの中華レストランに入ったんですけど、同世代が全然いなくて退屈で。紹介で移った先のお店に、長野さんがいたんです。
長野:もともと西川とは一緒に店をやる予定ではなかったんですよ。僕と弟とソムリエの3人でフレンチレストランを始めるつもりでした。
西川:当時、自分もレストランを辞めたタイミングやったんですけど、長野さんがお店出すって聞いて様子を見に行ったんです。で、気づいたら手伝わされて、その流れでふわっと入ることになりました(笑)。
長野:それが2016年。4年くらい続けた後、コロナ禍をきっかけに閉店して、[汽]を始めたのが2021年。
◇フレンチや中華を通ってきたお二人が「レバノン料理」を始めたのはなぜでしょう?
長野:それまで僕らがやってきたフレンチの、食品ロスが多かったりする部分に長い間違和感を抱いていて。実家を改装して新しいことをやろうと話した頃に、レバニーズに着目しました。レバノン料理ってヨーロッパにもアメリカにもアジア圏にも広がりつつあるし、野菜中心なところも魅力ですね。僕らも10年くらい前から無農薬野菜の畑をやり始めていたので。
◇野菜の切れ端を炭にしてピタパンに練り込むことでロスを減らすという手法もレバニーズならではでしょうか?
長野:いや、山ほど出てしまうロスに対して何かできないかなと考えた結果です。うちは薪とか炭で調理しているんですが、調理したあとも熱が残ってるんですね。この熱を使って野菜の切れ端を炭にしたものを再利用しました。
◇[cosa]店での人材について、求めるスタッフ像はありますか?
西川:元気な人です。やっぱり人当たりが良い方が損しないじゃないですか。あとはありきたりですけど、食べるのが好きな人。
長野:うちはすごい量の味見が必要なんです。ほとんどは感覚じゃない部分で作ってるんですけど、野菜は、届いた時の状態次第で「今回は少し糖分減らそうか」とか「酸味少しつけようか」とか、調節していくので。一番は料理が好きな人が向いていると思いますね。
◇[cosa]の店舗ではどんなメニューを考えていますか?
長野:とりあえずは今、ランチで出しているメニューを軸にしようと思っています。まずはプレートを知ってもらって、徐々にいろんな要望を聞いたりしながら、[汽]で出してるものを出していって、最終的にはアルコールとかと一緒に一品料理もやれたら面白いなと思います。
インタビュー全文は22 MAGAZINEでご覧いただけます。