ショップガイド

SHOP GUIDE

2025年3月オープン予定

1F | 108

中国料理

好香味坊

営業時間 11:00 - 23:00(予定)

テーマは“ちょっとした食事”をあらわす「小吃」。中国の裏路地などには必ずある小さな店舗です。その小吃店の本場の味で、帰りの方々が羊串をおやつ代わりに買い、夜はビールとご飯ものを楽しむような屋台と店舗の中間的なお店で、中国では「住宅地などの胃袋を支える最も身近な店舗」と言う意味で親しまれています。

STORY

INTERVIEW

Cross-Cultural Interaction
ガチ中華の先駆者、味坊集団のこれまでとこれから

左から[味坊]代表の梁 宝璋(リョウ・ホウショウ)さんと専務取締役の林 強 (リン・チアン)さん

中国のローカル&トラディショナルな味を楽しむカルチャーとして広まりつつある「ガチ中華」。そのはしりといえるのが都内で12店舗を展開中の味坊集団だ。彼らが目指すものは、単なる“中国の地方料理の再現”ではなく、その背景にある伝統や文化の発信であり、ひいては食を通した国際的なコミュニケーションだ。2025年には初の地方進出として静岡[cosa]への出店も決定。東京の通たちを唸らせてきた[味坊]は、今度はどんなムーブメントを起こしてくれるのだろう。オーナーの梁 宝璋(リョウ・ホウショウ)さんと、同じく厨房で長年指揮を取ってきた林 強 (リン・チアン)さんに話をうかがった。

「おいしい」の先にある文化伝承。[神田味坊]から続く信念。

◇[味坊]立ち上げから「ガチ中華」のブームが起こるまでの経緯を教えていただけますか?

 

梁 : 今の味坊の1号店の前に、足立区でお店を始めたのが全ての始まりです。女房と二人で6坪くらいの小さいお店を立ち上げました。でも最初はキッチンの設備がそこまで充実していなかったので、ラーメンや餃子などを出すだけでした。2000年に神田に[味坊]をオープンしたんですが、そこからは私の地元の料理を紹介したいと思い、故郷である中国・東北地方でずっと食べていたラム肉やジャガイモ炒めなどを出しました。でも当初お客さんの反応は薄かったですね。「これって本当に中華?」とよく聞かれました。

林 : 私は四川出身なんですが、日本の中華料理屋で回鍋肉や麻婆豆腐といった四川料理を作るときに、周りの料理人はみんな辛さの少ない甜麺醤(テンメンジャン)ばかり使っていたんです。「日本人は辛いのが苦手だから」と、日本人の味覚に合わせて本場の中華の味を変化させていたんですね。

 

梁 : 私からすると、一般的に日本で知られている中華料理は「和食」なんです。中国にはああいう味のものはないですからね。でも私は、国や言葉が違っても「おいしい」という感覚を共有できると信じて、故郷の味を再現することにこだわりました。それが少しずつ広まっていったのは、出張で中国に滞在していたビジネスマンの方々が「日本で本場の中華を食べられるところがあるんだ」と反応してくれたことがきっかけです。そうやって徐々に軌道に乗ってきたところで「もっと中国の食文化を広めたい」と考えて店舗を展開しました。でもどれだけ店舗が増えても、根底には「言葉が通じなくても食を通して人々は理解しあえる」という想いがあります。

◇たくさんのこだわりが詰まった[味坊]ですが、[cosa]ではどんなメニューが楽しめるんでしょう?

 

梁 : やはり羊肉がメインになります。日本のいろんな地域にラム肉の魅力をもっと広めたいですね。よく飲食店で使われている豚、鶏、牛の多くは餌に合成物を使っているんですが、羊はどこの国でも自然な方法で育てられています。しかも基本的にはその地域の草だけを食べて育つので、例えばアジアとヨーロッパとで味が違ってくるので、そういう楽しみ方もおすすめです。うちはアイスランドなどをメインに使っていたけど、今年からオーストラリアとかニュージーランド産も多めに輸入しています。よく「マトンは臭みがある」と言われることもあるけど、我々中国人からしたらマトンの方が旨みが詰まっていておいしいんです。そういった 羊肉の魅力をお伝えできるように、お店で小規模なイベントも開催しようと思っているので、ぜひ気軽に遊びに来て欲しいですね。

インタビュー全文は22 MAGAZINEでご覧いただけます。